一般社団法人らしえる

最後の文化祭

皆様、こんにちは。

らしえる代表の伊藤雄一です。

先日、高3になる次男が通う、地域の特別支援学校の文化祭がありました。

彼にとっては、最後の文化祭となります。

この日の演目を次男に聞いても、

「ダンスです!」

としか教えてくれなかったのですが・・・。

しかし実際に見て驚きました。

非常に内容が濃く、充実した舞台劇だったからです。

具体的な内容は、これまでの学生生活のさまざまな想い出を振り返るものでした。

それを生徒の皆様が、役割分担をしながら演じておりました。

例えば、バスに乗って出かけるところや、調理を頑張ったり、スポーツに打ち込むところなど。

全てにおいて生徒の皆さんが協力し、かつ大道具も使ったバラエティ豊かな演出が続き、それは驚きの連続でした。

とはいえ、きっと緊張もあった事でしょう。

時に同級生や先生の手を借りたりしながらも、皆さん一生懸命、精一杯演じておられました。

また、下級生の皆様も観客としていらっしゃいましたが、拍手や声援も見事なもので、「場の一体感」を感じました。

当日はらしえるでもご一緒いただいている、同級生のお母様も多数いらっしゃいました。

きっとお子様の成長ぶりを御覧になり、皆様がそれぞれのドラマを思い出した事でしょう。

私事にて恐縮ですが、振り返れば、私のところもさまざまな事がありました。

今でこそ次男は、僧侶のように落ち着いた貫禄を放っていますが、当時はとにかく「多動」でした。

幼稚園でも帽子は被らず脱ぎ捨てる。

放っておけば、すぐにどこにでも行ってしまう・・・。そして発語もほぼない。

幼稚園の卒園式で、

彼だけ号令に合わせて立ったり座ったりが出来ず、ステージの上でも「逆立ち」をしてしまうほど落ち着かない子でした。

頼み込んで私が隣の席に座らせてもらい、なんとか卒園式を終えました。

しかし周囲の親たちの目線に疲れ果て、へとへとになりながら妻と帰宅し、

「どうしてうちの子はこうなんだろう?できないんだろう?」

と言いながら二人で泣きました。そんな事も思い出しました。

しかし彼は、特支で素晴らしい先生方に恵まれ、のびのびと成長していきました。

多動だった彼が、徐々に落ち着きを取り戻し、いろいろな事が出来るようになっていったのです。

私は改めて、

「息子がこの学校に通えて、本当によかったなあ、有難かったなあ」と思いました。

卒業まであとわずかですが、この舞台の準備を頑張ってくださった全ての先生方、

そして生徒の皆様にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

いまこの記事を書きながら改めて思うのですが、やはり「人力」なんですよね。

人の手を借り、愛情をたっぷりと受けて、人は成長してゆくのです。

らしえるもそうありたい。

あなた「らしさ」を「ささえる」からこそ、らしえるなのです。

そう思えば、私自身も責任重大です。

らしえるという場で、利用者様ひとりひとりの人生に関わった責任を、

これから先もしっかりと果たしてゆきたい、と決意を新たにしました。

最後に、

当日の文化祭には、小学部当時にお世話になった先生方がいらしていました。

もう10年も前に、関わってくださった先生方です。しかしこの日のために、来て下さったのです。

これって本当に素晴らしい事ですよね。

先生方の美しく、気高い志を、心から尊敬します。

そして、息子の成長に関わってくださり、ありがとうございました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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